第2回公開シンポジウムにつきましては、
4月14日本願寺聞法会館にて無事に終了しました。
当日は雨にも関わらず、京都、大阪のみならず、関東地域からも非常に多くの来場者をいただき、フロアからも活発なコメントをいただくなど大変盛況に終えることができました。ご来場いただいた皆様には心より感謝申し上げます。
****第2回シンポジウムの概要****
○スケジュール(敬称略)
1.全体の趣旨説明と登壇者の紹介(コーディネーター:能登原由美)
2.司会(柿木伸之)による進行説明
3.パネリストによる発表
①平瀬礼太:「戦時体制と絵画・彫刻 1930〜40年代」
②戸ノ下達也:「1930〜40年代・音楽文化の諸相」
③井口淳子:「外地、ハルビン、上海から戦後日本の楽壇とバレエ界への連続性」
〜〜〜〜休憩(20分)〜〜〜〜
3.コメンテーター(柿木伸之)によるコメント
4.ディスカッション (下記のフロアからの質問・感想を元に)
○フロアからいただいた質問・感想の一部(全体に関するもののみ)
・芸術家が戦時下の体制に「協力」せざるを得なかったことや、美術や音楽界で戦中から戦後にかけて多くの「継続」的な要素が見出されることは、第二次大戦中にドイツに占領されたフランスでの音楽状況と同じであり、興味深い。
・総力戦体制下における芸術という問題を国際的に共有するとすればどのような課題と展望があるか。
・芸術家の政治思想などが戦時中に批判・統制の対象となったことはあるか?
・吉田隆子など、この問題における女性(音楽家/美術家)の関与なども取り上げて欲しかった。
・このテーマとその問題意識を若い年齢層と共有すること、あるいは「現代の問題」として捉えることについてどのように考えているか?
・戦前・戦中の美術/音楽に関する日本政府の方針について、外地に対してはどのようなものがあったのか?
・戦前・戦中・戦後の連続性の問題が興味深かった。
・様々な領域から貴重な情報と知見を数多く得ることができて良かった。
上記の他、各発表者に対する質問なども数多くいただきました。
後半のディスカッションは90分程度の時間を用意しましたが、これらの質問の全てを取り上げるには到底時間が足りず、一部についてしか議論を発展させることが出来なかったのが残念でした。ですが、全てのコメントについてはシンポジウム終了後に登壇者の間で共有し、それぞれが持ち帰って各自の研究に反映させることになりました。
なお、各パネリストの発表内容につきましては、発表者自身の執筆による要旨が日本音楽学会西日本支部通信に掲載される予定となっております。また、音楽学会西日本支部員によるレポートも同様に掲載される予定です。つきましては、支部通信が刊行された際に、リンクを貼ってお知らせする予定です。
(注)上記の写真については、来場者の方々から提供していただいたものを使用しております。ご提供いただいた方々には心より感謝申し上げます。